開発ストーリー03 一つひとつ課題と向き合い、技術者としての次の飛躍をめざす 生産技術部 生産準備課 D.I 2015年入社

コミュニケーションの必要性を痛感

D.Iは、入社以来、プレスに特化した技術を扱っている。そこから生み出される製品は、バッテリーキャリアや、コンソール部品などそのほとんどが自動車用部品だ。

仕事は、得意先から設計図面を提供されたところから始まる。図面を読み解き、生産準備に取り掛かり、製造を担当する社外の仕入先と製造を協議する。時には、仕入先から強度や品質上の問題から「ここの形状を変更してほしい」と依頼を受けることもある。そうした場合には、得意先に形状を変更したい理由を説明し、調整することになる。

このように、自動車メーカーと仕入れ先との間に立ち、双方の意見に耳を傾けながら計画を進めることが重要になるが、D.Iが入社して1年ほど経ったとき、ある問題が起きた。仕入先からの重要な情報が得意先にうまく伝わっておらず、その後の生産が滞ってしまったのだ。原因は、D.Iが仕入先から情報を得るときに、長々と時間をかけて話を聞くのは申し訳ないと早々に話を切り上げ、中途半端な情報を得意先に伝えてしまったからだ。幸い、上司の助けもあり、大きな問題には発展しなかったが「適切なコミュニケーション」はD.Iにとって大きな課題として残った。

インタビューを受けるD.I

尊敬する上司をお手本に課題解決

「忙しいから」と相手の状況をおもんばかってしっかりと情報を得ないということは、社内でも言えるはず。上司に相談する際も、時間を割いてもらうのは申し訳ない、という気持ちが問題を先送りしてミスを誘発することもある。

その解決のヒントが、身近な上司の行動にあった。この上司は、D.Ⅰが入社以来ずっと尊敬の念を抱いていた人だ。得意先と仕入先の間をうまくとりまとめることはもちろん、若手の面倒見もよく、書類などのちょっとした見落としをきちんとチェックしてくれる。そのうえ「見落としをなくすには、どうしたらいい?」と問いかけてくれるのだ。その上司が、さらに上の役職の人に相談をもちかけたとき、相談内容が簡潔にまとめられていて、自分なりのプランも提示していた。そうすると聞く側も答えやすく回答が早いというわけだ。

その様子を観察していたD.Iは、以来、社内外にかかわらず、自分が相談したいことをあらかじめ整理して質問し、自分なりの回答を準備することを心がけている。そうすることで相手の負担は軽減し、もっと適切なコミュニケーションにつながっていくと考えた。

もうひとつ大事なことは、真和工業はどんな小さなことでも上司に気軽に相談できる雰囲気があるということだ。尊敬する上司だけでなく、とても頼りがいのある人たちが多い。D.Iは、部署を越えて相談することも珍しくない、風通しのいい会社だということを今更ながらに気づいたという。

QCサークルで得た自信を次の挑戦に

2017年6月から12月にかけて実施した社内のQC活動で、D.Iがリーダーを務め、「仕入先が困っていることの解決策」というテーマを発案した。仕入先の困りごとを解決することは、真和工業の課題解決につながるという発想からだ。メンバーは5名。D.Iからみると、全て上司・先輩だ。

具体的なテーマは、取引のあるすべての仕入先から聞き取りをし、そのなかから、ある仕入先の「量産する際に生じる精度のばらつきをどう抑制すべきか」に決定した。D.Iは、この課題に対する回答を仕入先に求めるようメンバーに伝え、週1回の会議でそのつどメンバーの意見を集約し、メンバーで共有するようにした。「プレスの金型に精度をばらつかせるガタがあるから」「溶接する際の冶具の精度が低いから」など多くの指摘が寄せられ、それを一つひとつ現場で検証していくと、精度のばらつきが抑制されていった。

QC活動後、課長から「次回も期待しているよ」と声をかけられた。D.Iは、謙虚に「皆さんが導いてくれたおかげです」と回答したようだが、自信につながったことは確かだ。

こうした体験を活かし「一人で生産準備をこなせること」を直近の目標に掲げている。D.Iには「失敗してこい!しっかりフォローしてやるからな」という上司・先輩の声が聞こえているようだ。

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