1. グリル
車のスタイリングを印象づける、ヘッドライト間に位置する製品です。細かい入れ子構造の金型になることが多いため、金型を構成する部品同士の寸法精度を高めて成形時の不具合を防止します。また、意匠面は放電加工を極力減らし、切削加工にて処理することで、金型精度の向上と納期の短縮を図ります。
2. シリンダーヘッドカバー、インテークマニホールド
シリンダーヘッドカバーは、エンジンオイルの飛散を防ぐエンジン上部のカバーです。インテークマニホールドは、エンジンの吸気を各気筒に均等に送り込むための部品です。成形後の変形量、そり方向などの事前予測を入念に行い、その条件を金型切削に織り込むことで、最終的な製品の精度を高めています。
3. ルーバー
ボンネットとフロントガラスの間でワイパー穴周りを覆い、外気を取り込むための部品です。製品変形量の解析結果と実物の測定結果を比較し、材料物性値データベースに反映しています。解析用データの精度を高め、正しい変形量を予測することで、製品寸法の適性化と金型修正工数の削減につなげています。
4. クラスター関連、コンソール、アシストグリップ
クラスターは、エアー吹き出し口やメーター周りの意匠部品です。コンソールは、運転席と助手席の間でサイドブレーキを覆い、小物入れなどの役割を担います。アシストグリップは、体を支えるための各席上部の握り手です。相手部品と組み付けた際に段差やずれが生じないよう、入念に調整しています。
5. バックドアガーニッシュ
バックドアガーニッシュは、車のトランク、ハッチバック側に配置されている内装部品です。大きい製品であるため、成形後の変形量に対する解析を入念に行い、金型修正工数を削減することで、納期短縮に努めています。また、直接手で触れる箇所の段差をなくすことも心がけています。
6. タイヤカバー
トランク内でスペアタイヤを覆うためのカバーです。意匠部品ではなく機能部品であるため、金型製作のコストダウンと納期短縮に注力しています。設計段階から加工、組付けに至るすべての工程で標準化を完成させており、標準レベルの向上に取り組みつつ、標準化された内容をもとに自動化を進めています。
7. ドアトリム
見栄えを良くし、小物入れなどの機能的な役割を担う車のドアの内装部品です。大きいため、成形後の変形量に対する解析を徹底し、金型修正工数を削減しています。また、製品によっては目に見える部位があるため、製品同士の隙間や段差などが生じた場合の修正方法を考慮に入れた金型構造にしています。
8. ロッカーモール
車の側面のドアの下、前輪と後輪の間に装着される部品です。車の見栄えを良くし、はね石やタールなどから車体を保護する役割を持っています。車に取り付ける際に十分な強度が確保できるか、意匠面に裏面のリブ形状によるヒケが発生しないかなどを事前に解析し、対策を講じています。
9. ロアアブソーバー、アンダーカバー、シールフロントフェンダー
ロアアブソーバーは、歩行者との接触時に衝撃を吸収・緩和して、歩行者の足を保護する部品。アンダーカバーは、はね石などから車体を保護する下側のカバー。シールフロントフェンダーは、フロントフェンダーの内側に取り付けエンジンルームの温度を下げるなどの役割を持つ部品です。